Ikeda Okawa

公明党の支持母体である宗教法人の創価学会から、今、人材が大量に流失しています。僕の知人でも今年(2024)になって、創価学会を辞めた、あるいは事実上脱会して活動を停止したという人が複数人います。

理由は名誉会長である池田大作氏が、去年の年末に逝去されたからです。そもそも創価学会には退会届という制度ががありませんから、正式に退会というのはありません。本人が私やーめた、と言って公明党への投票をしなくなるだけです。

創価学会及びSGIインターナショナルは、太平洋戦争後の日本で最も成功した新興宗教だと言っていいでしょう。それはひとえに池田大作氏のカリスマ性にあります。カリスマという言葉が彼ほどピッタリくる人物を僕は他に知りません。松下幸之助さんとも対談していました。

それは彼が天才的で精力的だったからです。池田大作の魅力に引き込まれて入信した創価学会員は、彼が亡くなると同時に我に帰りました。彼の死から1年も経たない中で行われる、第50回衆議院議員総選挙は、公明党の議席数もなかなか厳しいものがありそうです。

自公連立という政権は長く続いていますが、今回は自由民主党が公明党に頼らず、単独過半数を獲得する必要があるのではないかと僕はみています。その自民党が今回は金銭的な汚職まみれであることが発覚し、国民の信を問われるわけですから、ただ事ではありません。

今回も自公が過半数をどうにか達成するでしょうが、それは対立する野党がほとんど居ないに等しい分断で、政権交代にふさわしい人材が野田元総理くらいしか見当たらないからです。自民党内には核武装論者から原発ゼロ論者まで、驚くほど左右に幅広い人材がいらっしゃいます。

日本共産党を除く野党に、はっきりとした論拠は見られない状態です。ただ選挙は水物です。何が起こるか分かりません。今回は第50回衆議院議員総選挙ということで、スパッとキリのいい数字ですが、この総選挙の回数がキリがいいと、自由民主党にとっては呪われた選挙となるようです。

第40回の時は細川護煕内閣が誕生し、新党連立ブームの時代が始まりました。宮澤内閣まで続いた自由民主党と日本社会党の55年体制が崩れたのです。日本新党、新党さきがけ、新進党。色々ありましたが、僕の師匠でる池上彰によれば、「新」の字がつく政党は続かない。なぜならば新しくなくなったら無意味になるから。なるほど。

第45回の時は民主党が圧倒し、自由民主党は下野しました。それから3年ほど続いた民主党政権は、初っ端から鳩山由紀夫がアメリカ軍を追い出そうという無茶なポカをやらかし、菅直人は3.11の震災への対応で全てが後手に回り、評価できるのは自らの政治生命と引き換えに消費税を上げた野田さんくらいでしょうか。

第50回というのが今回ですが、対する立憲民主党には、いまだに野田元首相とか枝野元官房長官とか昔懐かしい顔ぶればかり。要するに彼らを超える人材が育っていないのです。これでは国民のガッカリ感は拭えません。震災時には#エダノネロという#ダグが立てられましたが、今回は#エダノマタオマエカヨという空気感でした。

なので今回はキリのいい第50回ですが、僕は勝敗よりも投票率が気になります。国民の中にある「諦め感」と「期待感」を見分ける数字になるからです。もちろん「期待感」が高まってくれないと、景気回復は成し得ないのですから、投票率がこれ以上、低くならないことを祈ります。

さて選挙が近いので、つい政局の話に流れてしまいましたが、今回の主題は新宗教について語るつもりでした。バブル期に様々な新宗教が流行りましたが、かつてのオウム真理教でかなり減ったものの、統一教会問題に始まる政治と宗教の問題はまだ片付いていません。

安倍晋三元総理が殺害され、死人に口無しということでしょうか。国会ではスルーされているようですが、宗教2世問題は根深いものがあります。僕は伝統仏教の信者なので、創価学会の人に折伏されそうになっても「僕は日蓮さんの方ではなく、親鸞さんの方なので」と逃げられます。

伝統仏教を語るグループにも顕正会など暴力的な団体があり、それに比べれば創価学会など可愛いものです。僕はベストセラーになった「ニュース、みてますか?」が出た頃、いろんな雑誌に取材を受けました。立正佼成会、生長の家、幸福の科学などです。大抵は一回だけわずかな謝礼を受け取り、宗教とは関係ない話をして記事にされました。

しつこいのは幸福の科学の機関誌「リバティー」です。原稿料の納税のため住所を伝えたら、目黒の自宅の郵便受けに毎月、この機関誌が届けられるようになりました。大量のチラシと共にゴミ箱に入れますが、うちは集合住宅なので他の住人に、杉江さんは幸福の科学の信者なのか、とあらぬ疑いをかけられないかと心配でした。

ジャーナリストとして「李下に冠を正さず」という厳しい姿勢を保たなければならない。と痛感した次第です。政治家の皆さんもこの機会に、自分がどうゆう宗教とどういう関わりを持ったのか、見える化が必要ではないでしょうか。信教の自由がありますから信じるのはかまわない。ただお金のやり取りは要注意です。

幸福の科学(幸福実現党)の総裁である大川隆法も、2023年に亡くなった1人です。この人は日本だと東北地方に昔あったと言われるイタコ(様々な歴史上の人物の霊を呼び出して、乗り移ったと言って口寄せをするインチキな民俗宗教)の現代版です。

この人は1956年生まれだから僕と大して歳は変わらないはずですが、66歳という若さで亡くなりました。彼の長男は後を継ぐ気はないようで、父親を嘲笑うかの如く宗教2世YouTuberとして活躍しています。宗教2世YouTuberとしては、国会で傍聴に呼ばれた統一教会2世の小川さゆりさん(仮名)もよく見かけます。

極め付けは大川隆法の長男と、30年続けていた創価学会を退会した人、そしてあの上祐史浩という3人が対談している動画です。上祐については、お前はオウム真理教のナンバー2じゃないか。加害者やろう。よく平気な顔してしゃべっているな、とツッコミを入れながら見てしまいました。

ちなみに僕は学生時代関西にいたので、警備員のバイトでPL花火大会に行ったことがあります。僕が新宗教に関わったのはそれくらいかな。洗いざらい話しておきます。関西は新宗教が多かったので。そう言えばPL教と天理教、いずれも高校野球に強かったのですが、今はどうしているのだろう。PL学園も天理高校もトンと見かけません。

まあいいや。先ほど紹介した極め付けの動画を貼っておきますので、ぜひお楽しみください。

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