complete recovery from illness

ワニブックスという出版社名は、僕も聞いたことがありました。僕の根拠のないイメージで言うと、若い女優やグラビアアイドルが水着姿でプロのカメラマンに撮ってもらって、いわゆる写真集として売り出されます。それはそれで美術品とさえ言える価値の高いものでした。僕も好みの女の子の写真集が出ると、若干値段が高いことを承知で買った記憶があります。

そんなお色気専門の出版社だと思い込んでいた僕は、最初ワニブックスさんから「本を書いてませんか?」と言われた時大いに戸惑いました。え。僕はムサ苦しいオジサンだし、綺麗どころとは無縁です。その戸惑いを見越すように、ワニブックスの担当者の聡明な編集者は、いくつかの売り出し中の「ワニブックス|PLUS|新書」を僕にくださいました。

その中に、当時は名前も今ほど知名度が高くなかった(今は今日の特別国会で総理大臣に選ばれた方ですからめちゃくちゃ知名度が高いですが)石破茂さんの書かれた「真・政治力」という本が、拙著「ニュース、みてますか?」と同じシリーズで出ていました。僕は一気呵成に読破しました。僕は政治家の書かれた書籍は、自分からあえて読むようなタイプではありません。でもその時はライバルの手口を参考にさせてもらおう、と言う実利面に惹かれて読みました。

内容はよく練られていて信念を感じ「さすが」と思わせるものでした。ワニブックス社にはこういう一面もあるのかと、石破さんの本を横に置いて僕は執筆に取り掛かりました。石破さんの本はひたすら真面目で面白くない。もちろん分野が違うのだから比較の仕様がありませんが、とにかく僕の目には「面白くない」と映ったのです。「この程度でいいなら、僕にも書ける」「僕なら石破さんの100倍面白い本がかける」(とか書くと石破さんに失礼かな?)とう執筆意欲が高まったのでした。

本は面白ければいい、と言うもんではありません。ましてや政治家の仕事は面白い本を書くことなんかではなく、実際に立法府において法案を審議するのが主な仕事です。そのための基本的な考えを書籍としてまとめておく。と言うのも有意義です。こういった現代社会をちょっと変わった視点で切り取るのが、ワニブックス|PLUS|新書の編集者たちの面白いところです。

まあ、わかりやすさを追求した拙著には、こんな池上彰さんを前面にアピールした帯がつく予定でした。「池上彰の人気にあやかろう」といのが見え見えで、僕はちょっと表現を控えていただきました。それでも本は当時はベストセラーになり、僕は多くの方々にSNSでシェアしていただきました、

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