I don't have an umbrella.

「傘がない」とは井上陽水さんの名曲ですが、この曲を聴いたことのない人のために、歌詞のメッセージを簡単に紹介しておきましょう。

「新聞の記事よりも、今日恋人に会うために出かけるのに傘がないことの方が重要な問題だ」

というものです。なかなか示唆に富んだ歌詞なので、リタイア後の僕はこの観点で自分の日常的なブログを書いていきたいと思います。あくまで自分自身の半径50センチ以内の話題に限って書いていくのです。

とはいえ、現役時代に偉そうに大所高所から記事を書いていたお前自身の意見はどうなんだい、というツッコミが入りそうなので、今回自分のスタンスを簡単にまとめておきます。 世界情勢については、トランプ政権になってからは、こんなところで何をつぶやいても詮無い話(屁の突っ張りにもならない)なので何も書きません。彼が退いた後は(世界が滅亡していなければ)何か書くかも知れません。国内情勢についてはリタイアした身なので何も書きません。

とりあえず宗教の好き嫌いについて列挙しておきましょうか。

  1. 伝統仏教は好きです。
  2. キリスト教は好きです
  3. イスラム教はよくわかりませんがまあ好きです。
  4. 新興宗教はすべて大嫌いです

世界各国の好き嫌いについても、いくつか列挙しておきます。

  1. 僕は日本が好きです
  2. 僕はヨーロッパが好きです
  3. 僕はイスラエルが嫌いです(ユダヤ人は好きですが)

この好き嫌いの気持ちのルーツは、若い時に旧鹿鳴館の某所でエリートたちを集めた講演で、たまたま参加した僕の心に刺さった名言です。

「大国必ずしも文明国ならず」

目から鱗が落ちるような座右の銘です。その講演の師は西部邁さんでしたが、当時の僕は勝手にこう解釈しました。小さな島国である日本は、アメリカと中国という超大国に挟まれている。だが考えてみればアメリカは200年前に原住民を皆殺しにして作った移民と奴隷の新大陸にすぎない。中国は古代の歴史は長いものの、毛沢東や共産党が文明的であるかどうかは、大いに疑問が残る。 ヨーロッパには人口の少ない小国で、極めて文明的な国がたくさんある。それは僕自身体験上知っていました。歴史的にも異論のないところです。ではアメリカや中国はという話です。それまでハリウッド映画で育った僕は、大いに考えさせられました。

ついでにロシアについていうと、話が長くなりますが、一言で言うと「気の毒な国」と言うことです。やたら寒い。やたら国土が広い(メルカトール図法の平面図で見ると。地球儀で見るとそれほどでもない)。なんと凍らない海がない。著名なロシア文学は皆やたら悲観的である。

やっぱり人間っていうのは南国の島国のように、暖かいとやたら楽観的になるのでしょうかね。食べ物は勝手にバナナが降ってくるし、衣服もいらないから寝ていろ、という某南国もあります。寒いところに行けば行くほど働き者になる、と感じるのは僕だけでしょうか。かつて北海道を開拓した人々の労働はものすごかったと聞きます。

補足しておきますと皆さんも地理の授業で習った通り、世界地図というのは球体である地球を無理やり平面にしたものです。ですから北極や南極は点でしかないのに、横いっぱいに引き伸ばされている。逆に赤道に近づくほど、本来より小さく描かれているわけです。南極大陸はもっと小さいし、ロシアには北極海というものがあるものの、実際には飛行機で通過すると一瞬の点でしかないのです。だから唯一の海であるクリミア半島が死ぬほど欲しかったのでしょうね。

で、ソ連崩壊という歴史的出来事が起きた時、西側ではベルリンの壁とか散々大騒ぎしましたが、シベリアあたりの地方の小学校では、校長室に飾られている肖像画がゴルバチョフからエリツィンに架け替えられただけで、翌日からもいつも通りの授業が行われていました。校長室に飾られている肖像画はその前はロシア皇帝の肖像画だったそうです。地方の小学生にとっては、そんなことどうでもいい。それが一般庶民の本音です。
これからの僕は、そんな地方の小学生のスタンスに立ちます。自分の傘があるのかどうか、が最大の問題です。雨に濡れるのはやっぱり嫌ですから。

なんで僕がこれから身のまわり半径50センチの話題にこだわっていくのかというと、僕らには「報道」なんて絶対にできないからです。ある時期に一緒にブログプロジェクトを立ち上げた相方。僕が20代の頃からローマで苦楽を共にした友人の仲宗根政則さんとも、何度も最初に確認し合いました。「僕らがやろうとしているのは報道じゃないよね」

そりゃそうです。本気で報道をやろうと思ったら、最低でも150人以上のプロの記者を雇い、地を這うような地道な取材を続けてもらって一次情報を拾ってこなければなりません。そんなこと巨大組織じゃないと不可能です。かつてCXで報道部に配属された、と喜んでいた高校時代の同級生に、NHK報道局の記者の人数を伝えたら、「げ、うちはその10分の1もいない」と驚いていました。もちろん民放でもキー局だけではなく、大阪をはじめとする全国の主要都市に系列局がありますし、提携している共同通信みたいな通信社の記者もいますから、それらを合わせれば結構な数になるでしょう。

でも日本には記者クラブ制度というのがあって、桜田門や霞ヶ関、永田町などにあるそれぞれの組織の中に自分たちの机があります。彼らは毎日そこへ出勤するのです。自局には自分の机さえありません。取材先に張り付いていて、そこの広報担当から発表された公開情報を要約して本部に送るだけ、という発表報道しかしない記者も結構います。それだと間違いではないかも知れませんが、各社横並びの同じような記事が一斉に流れるだけです。お昼のワイドショーなどで、どこのチャンネルに合わせても同じ話をしている。というのを見たことがある人もいるでしょう。もちろん日本全国の警察署のなかにも、必ず記者専用の部屋があります。それらとは別に、遊軍と呼ばれる一部の天才記者だけが、独自の調査報道ができるのです。ちなみに記者たちは偉くなると、ようやく自分の会社に机が与えられます。だからデスク、という肩書きがつくのです。

たまにですが文春砲と呼ばれる独自の調査報道を発表する週刊文春など、どうやったらそんなスクープをつかめるのかわかりません。ノウハウをご教示いただきたいくらいです。ネット上でも独自の報道チャンネルを立ち上げられた優秀なジャーナリストが大勢いますが、結局は有識者を招いて対談をするのが関の山です。スタジオとカメラを用意しても、取材する150人以上の専属の記者を集められないからです。古舘伊知郎さんでさえそうです。彼はニュースキャスター時代に築いたずば抜けた分析力と、分かりやすくて面白い解説力をお持ちですが、あくまでネットやマスコミから集めた二次情報を伝えているだけです。500万人以上のフォロワーを持つYouTube大学で知られる中田敦彦さんも、最初からネタ元は書籍であると公言されています。慶應大学で磨いた頭脳でガンガン本を読みまくり、分析し、芸人時代に得た巧みな話術で成立しているのです。

それぞれ素晴らしいと思いますし、非常に尊敬していますが、彼らも決して自分たちの足で現場に行って事実確認してきたわけではないのです。ですから僕のように机に座ってパソコンをパタパタやっている人間に、報道なんてできるわけがないのです。

そんなニュース解説など、世の中にゴロゴロあふれています。僕は正直言ってニュースなどNHKの朝と夜のセブン、そしてナインをチェックすれば充分だと思っています。それも冒頭だけ2〜3分だけ。トップニュースが大したことなければ、ああ今日も世の中は平和なんだ、と安心して消してしまいます。そんなありふれた情報なんて、今どき価値があるでしょうか。それよりも誰も知らない、僕だけの情報を地味ながらコツコツ発信していく。単なるジジイの思い出話であっても。その方がずっと価値があると考えたのです。

あー、ギリギリ令和6年度に間に合った。これで僕の真面目な話は最後です。4月からは他愛のない与太話をなるべく面白く書いていきますので、よろしくお付き合いくださいませ。まずは僕の生い立ちからかな。うふふ。

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