すぎぃがフィルム映画のアクション俳優としてデビューした、記念すべき第一回目の作品、16mフィルム映画「大拳銃」

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が、引退したはずのアクションスターすぎぃの仕事は、これで終わりではありませんでした。
9月7日(日)の試写会に向けて、最後の仕上げのためのセリフ取り、オンリー、つまりアフレコのために声を出して欲しいと、大畑監督から依頼があったのです。

セリフはクライマックス・シーンで僕が出す声でした。
まずは、敵を発見して驚いて息をのむシーン。
「はっ!」

次は防弾チョッキの上から撃たれて、うめくシーン。
「うぐっ」

こういうのも、真剣に演技するとけっこう疲れるものです。
三番目は、必死で走りながら息切れする時の声。
「ハアハア…」

これを何度も、まあ一つあたり20回ずつくらい録音するのです。
大畑監督は凝り性というか、とにかく粘るタイプです。
でも監督の期待に添うように芝居をするのが、役者のつとめというもの。

最後に、大拳銃で後ろから撃たれて、胸に直径10センチほどの穴が開くシーン。

「すぎぃさんの背中から、こう弾が入って、肺を貫きながら、胸から出て行く時の声をイメージして、一声お願いします」
と大畑監督の演技指導。

(そんなのイメージできねえよっ!)

「うっ!」「ぐえっ!」「どはっ!」など10パターンほど僕は芝居をやりますが、監督はまだ満足がいかない様子。
僕はだんだん息が苦しくなってきます。
(そもそも、肺が破壊されてるんだから声なんて出ないだろうが。)

「漫画の書きセリフで言えば、どう書くわけ?」
と訊くと、監督はしばらく考えてから「ごば」と言いました。
んで、僕は満身の力を込めて、
「うごばっ!」

っと叫んで、なんとかOKが出ました。
「まだ、あるんです」
と大畑監督。
「胸に大きな穴が開いてぶっ飛んだ、そのあと地面に落ちてずるずると顔から滑る、そのときの断末魔の声をお願いします」
だから~。
と僕は思う。
もう、肺がないんだから、どんな声も出ないだろうが。。。

それでも監督の期待に応えるのが、役者のつとめ。
なんだかわけのわからない音声を肺から絞り出して終了。

この映画、今のところ東京だけの公開です。
9月7日(日)の夜の試写会しか、まだ決まっていません。


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