「腹を抱えて笑う」という表現が日本語でよく使われますけども、実際に両手でおなかを抱えながら笑っている人を、僕はあまり目の前で見たことがありません。
みなさんは見たことがありますか?

同様に「涙を流して喜ぶ」というのも、よく使われる表現ですが、僕の場合は実際に目撃するのは、オリンピックで金メダルを取った選手をテレビでみるくらいなもので、あんまりしょっちゅうは目にしません。
実際には日常生活の中で、そんな光景を見ることは意外と希なように思います。ドラマとか映画とか、いわゆる比喩的表現とか、そういうたぐいのものなのでしょう。

ですから、そんな表現は安易には使いたくないものです。
たとえばmixiの日記なんぞに、
「妻の誕生日、レストランに連れて行ったら涙を流して喜びました」
なんて書こうものなら、あっちこっちから、ウソつけっ!、そんないかにも陳腐な比喩使うなよなっ!とツッコミの嵐になってしまうのが目に浮かぶようなのであります。

そもそも最近の女子ともあろうもの、目は確かだし、舌は肥えているし、自腹で美味しいものをたらふく食べるキャリアは、男子以上にう~んとたくさん積んでいるものです。
ですから今時イタメシを御馳走したくらいで、喜んでくれるわきゃあないではありませんか。
仮にデートで大枚はたいて高級なシャンパンを驕ったところで、
「あら、まあ美味しいこと!ごちそうさま。うふ。」
とお褒めの言葉を頂くのがせきのやま、といったご時世です。

だから日記に、こんな話を書いても信じてもらえないかも知れませんが、今回はあえて書いておきたい気分になりました。
というわけで陳腐な日記をひとつ…

妻の誕生日に僕は昔なじみのイタリア料理店に連れて行った。
すると彼女は、大きな瞳から涙をジョージョーと流しながら喜んでくれたのであった。まる。

写真は、彼女の誕生日に食べたウマの肉のグリルです。
でかいです。うまいです。


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