「近くまできているので、ランチでもご一緒しませんか?」
とても気の合うマイミクさんから携帯メールが入った。

有頂天になった僕は、誘惑に負けて了解するメールを返した。
マイミクさんから平日のランチのお誘いを受けるなんて、めったにないことなので、とまどいながらも僕はワクワクした気持ちを抑えきれなかった。

しかし、僕は今や妻ある身である。
隠し事をしないのが互いに信条の夫婦である。
さらにマイミク内のどろどろ関係はまっぴら御免である。

そう、その人物は、ミクシィをやっている妻にとって、まんざら知らないわけではない人物であった。
ランチの席を予定している近くには妻の職場があり、昼時、ばったり出くわさないという保証など、どこにもない。
こんなことで幸せな家庭を壊したくはない。
些細な秘密で大切な信頼を失うことだってある。

僕はそのマイミクさんと会う旨を簡潔にかつ正直に妻に伝えた。

そしたら…!

(つづく)


See more of Yoshihiro Sugie OFFICIAL

Subscribe to receive the latest posts by email.

Your Comments

This site uses Akismet to reduce spam. For more information on how comment data is processed, please click here.