僕は昔ほどガン食いではなくなりましたが、年上の友達と飲んでいると、やはり飲み終わった後も空腹感が若干あったりします。

昨夜も六本木で飲んだ後、青山に移動して、そこから夜中にてくてく歩いていたら案の定、六本木あたりでお腹がすいた。
久しぶりに、一人ラーメンでもガガッと食べたくて、小ぎれいで新しそうな店に入ることにした。

(写真1)

ラーメンをそんなに食べる方でないので、久しぶりである。
ちゃんとした日本の女の子が出てきて、カウンターに座ると水もセルフサービスではなく持ってきてくれた。

あっさり味わいたいので表に飾ってあった「和風つけめん」を頼んだ。女の子は「今なら、無料で大盛りになりますが?」という。反射的にお願いします、と答えてしまう食い意地がちょっとまだなおっていないようだった。
運ばれてきたのは、大ざるに載った、たしかに1.5倍強の冷やしつけ麺、動物節系ダブルスープでラーメンよりはやや節系多め、おまけ程度の薬味。
麺は高密度高加水というハイテクで、つるつるとした縮れシコシコ麺を再現してあるようだ。

味はみごとに全て平均点。
偏差値50ジャスト。
大量生産で最大多数に、というチキンラーメン方式。
日本人の嗜好を徹底的にマーケティングし、フレーバー単位で調合したようなタレの味。ほぼ完成の域に達している。
看板に偽りなし。(写真2)

工夫を凝らしたグルメラーメンにうんざりした僕にはこのような、付加価値のないシンプルなラーメンが一番なのです。

満腹。。。やっぱり大盛りじゃなくてよかったのに、などと考えつつ、百円玉3個を払う。2円おつりが来る。餃子無料券がそのあたりにお持ち帰り自由である。これを先に拾っていたら、餃子まで食べる羽目になっていたが、すでに食べてきた僕の胃袋では無理だろう。いづれにしても298円

ラーメンなら、創業昭和28年の中華そばが税別390円
こちらは具も一通り乗っている。なぜかこれだけ税別表示。

さて、全国の物価事情を僕は知らないので、六本木の交差点付近に出来たこのラーメンが高いのか安いのか、正確には判断できないのであります。六本木は本当に物価が高いのですか?
ただ、以前住んでいた恵比寿よりは、半額くらいに感じる。
恵比寿ではバブル期に「はたしてラーメンが1000円を超えても良いものか、むしろ業界に損失があるのでは」という問題を有識者を含めて議論していたのを覚えているが、まあ具によって600円~900円というイメージだった。東京中、だいたいそんなもんだろうと思っていた。

六本木でラーメン。
港区は決して地価の安いところではない。

ある少年が塾に通って勉強し、日本の最高学府を卒業して国家試験を受けて公務員に就職したとする。
そして2年ほど真面目に働いた成果、受け取る月給の額は、この街の1LDKのマンションの家賃月額より低い額だ。

地方から上京したエリートたちは官舎で寝ることが出来るから、便宜上通勤には困らない。
しかし夜中に食べるものは、やはり税込み298円くらいで暮らさざるを得ないのではなかろうか。

全国のお母さん!
ご近所のラーメン屋さんに行ってますか?
一度港区に見に来て下さい。
ラーメンは、あなたの街のラーメン屋さんより高いですか? 美味しいですか?
手塩にかけて成績優秀で最高学府まで進学させた、あなたの自慢の息子さんの生活を見て、本当に幸せな生活をしていると思いますか?


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