このところパッタリと、新聞やテレビで見かけなくなったなぁ、と皆さんが感じるニュースって、ありませんか?
ちょっと前までは、連日のようにあんなに報道されていたのに、そういえばどうなっちゃったんだろうね、という話題です。

僕はよくあります。
そうですね、最近では北朝鮮の拉致被害者の問題でしょうか。
横田めぐみさんの遺骨をDNA鑑定したら別人であることがわかり、政府が抗議して大変な国際問題になり。。。

あれ?
そこまで連日トップニュースだったのに、なくなっちゃった。

台風、地震、そしてトドメはスリランカ沖の大津波。災害や戦争など突発的な大事件が起きると、その他のニュースは陰も形もなくなったかのような扱いを受けることがあります。
これは一日に5本くらいしかニュースを送れない、そして何事もなくても一日に5本くらいはニュースにしなきゃいけない、マスメディアの特質です。事件があろうとなかろうと新聞の枚数は変わりません。

拉致被害者の方々はどうしちゃったのでしょうか。(個人的にはあの方々の顔を見るのは、正直いってあきあきしていたので、実はありがたいのですけども)急に見なくなると、それはそれで寂しいもので、かえって気になります。
というか、結局のところ、拉致問題は解決したのでしょうか?
あるいは何らかの発展があったのか、なかったのか?
それさえもさっぱり分かりません。
まるでそんなもの、最初から存在しなかったんだよ、といわんばかりのムードが漂っています。だったら連日の曽我さんの記者会見、やっぱりいらなかったじゃん、とさえ言いたくなります。

ほかの大問題が片づいたら、またあの方々の出番が回ってくるのでしょうね。きっと。(ジェンキンスさんは、もう出番がなくていいと思うけど)
北朝鮮問題は台風じゃあるまいし、そう簡単に無くなったり弱まったりするわけがありません。北方領土の問題でさえ、一ヶ月に一回くらいは新聞の政治欄に小さな記事がでます。
でさえ、という言い方は失礼かもしれませんね。そもそも重要な問題は、幽霊のように現れたり消えたりするのもでは決してない、と僕は思っています。他の事案との相対関係を鑑みて、メディアが扱ったり扱わなかったりしているだけです。

そう頭では解っている僕ですが、実際にちょっとメディアで見なくなると、すぐに忘れてしまう人間の弱さも、人一倍持ち合わせています。だからなるべく、消えかかったニュースにあまのじゃく的に反応するように心がけている次第です。

ところで、プーケットなど被災地の日本人観光客の安否情報はともかく、在留邦人も含めた日本人全員の遺骨を確認し終えるのはいつ頃でしょうか?
答えはもう判っています。半年たっても、1年たっても永遠に安否不明となる日本人の数が相当数にのぼるはずです。

アメリカ人観光客も既に千人以上が海に消えたことを覚悟しているとのことです。
また欧米では災害や戦争の場合に、そもそも遺骨を持ち帰る習慣がないので、DNA鑑定を求めることもないでしょう。

この風潮が自分に有利に働くと密かにほくそ笑む男が、世界に一人だけいることを思うと、僕は何ともいえない悔しさがこみ上げてきます。
拉致被害者の遺骨は災害で流れてしまって提出できないと主張している男です。

まちがっても、なし崩し的に問題をすり替えられないように、政府と国民は、彼に負けないくらいの冷静な分析力と交渉力を、今こそ求められている。そう思って身を引き締めている今日この頃です。


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