有名人が集まるClubhouseは今後どうなる?

0

僕がClubhouseにご招待いただいたのは2月の初めで、ようやく2週間くらいが経過したところです。新しいメディアのことを別のメディア(このブログ)で語ることは非常に難しいのですが、爆発的な利用者の増加が話題になっているので、ちょっと僕なりにまとめてみます。

この音声SNSは、完全招待制、完全実名制ということで、他のSNSのように匿名で無責任な発言をばらまけない、そこが魅力です。SNSで炎上した相手でも、話してみると案外いいやつだった、ということもあります。

そういったClubhouseでの人間関係は、極めてリアルな人間関係に近く、生々しい肉声で強い絆が生まれる特性があるように思えます。今のところiPhoneに限られているし、招待枠が一人のメンバーにつき二名まで、という狭き門なのもメンバーを厳選する効果があるようです。

Clubhouseの中で聞いた話の内容は、一切口外してはならないという利用規約があるので、ここでは何一つ書くわけにはいきませんが、とにかく皆さん紳士的で温かく、非常に居心地の良いRoomがたくさんあります。

やはり皆さん実名で、しかも認証に本人の携帯番号を使うので、それなりに理性的な会話に努めているようです。Roomは2極化していて、有名人の名前の入っているRoomは、すぐに5千人のキャパ(今は6500人くらいかな?)が一杯になります。すると一般人は全員オーディエンスで、ミニライブ、ラジオ状態になります。

有名人のトークを拝聴するのもいいのですが、一方では普通の人が集まり、居酒屋の常連のようなノリで、次々にリスナーからスピーカーに上がり、雑談をするRoomに入ると、よりいっそうClubhouseの醍醐味が味わえます。

このようなClubhouseの魅力について語られているブログ、使い方を解説してくれるブログは、既に沢山ありますので、そちらにお任せするとして、僕は客観的にClubhouseの問題点や、今後β版から正式版に向けて解決すべき課題を考えてみたいと思います。

まず実名と携帯番号、自分のアドレス帳の中身、といった究極の個人情報をClubhouse側に提供するわけですから、セキュリティーとプライバシーポリシーを熟読しておく必要があります。コミュニティーガイドラインも重要なので、目を通しておくべきでしょう。英文ですが避けては通れません。

このガイドラインを守らず、Clubhouseで聞いた有名人のトークをメモして週刊誌に載せる人がいた、というので問題になりました。困ったものです。当然利用規約違反だからアカバンされますが、週刊誌としては別のリサーチャーを新たに送り込めば、この手の商売は成り立ってしまいます。

また録音が残らない、という特性を生かして、児童売買春に使われるリスクを指摘する人もいます。二人っきりの個室に移動することも簡単ですから、ドラッグの取引に使われるかも知れないと言われています。しかし僕が2週間使ってみた限りでは、そのような心配は無用かな、と感じています。

英語で話される方々(主にアメリカ人)と日本語のRoomでは、大きく落差があります。まだ日本語ユーザーは少なく、黎明期ならではの可能性を求めて、色々な人がいろんな試みをしています。日本語ユーザーは「とにかくフォロワー1000人を目指そう」と鼻息の荒い人が散見されます。

これはフォロワー1000人以上だとClubの開設など、有利になるという都市伝説が広まったせいです。Clubhouse運営の話では、1000人などといった覚えはないとのことです。既にClubを開設した日本人が2名ほどいるそうですが、Follow数500人の、フォロワー数300人程度の方だったそうです。

一方では24時間止めずに初心者の質問に答え続ける、連続21日間以上の記録を達成してギネスに載るというRoomもあって、なかなか面白いです。

?おしえてクラブハウス?初心者がなんでも聞いていい部屋✨心でつながる 今ここで✨

Clubhouseの全体像が見えてきた今の時点で言うと、今後Clubhouseの発展の為に必要なのは、まずセキュリティーとプライバシーポリシー、多言語化、アクセシビリティーが問われると思います。もちろん数の増加に伴う、容量の確保だけでも大変なのは解ります。でも安心して使える、というのが大前提となります。

その上でマネタイズ(課金、投げ銭、など)もいずれは考えなければなりません。広告にするのか、サブスクにするのか、お金が動く仕組みをどうすれば作れるのかが、非常に難しいところです。

今は完全無料で運営していますが、ビジネスモデルとしては確立しているようには思えません。得た個人情報を、どのようにかして販売・共有して稼いでいるのかも知れませんが、それはちょっと気持ち悪いです。

僕は自分の招待枠を使って、一人目は幼なじみのバイリンガルの女子に、二人目は師匠、池上彰さんにInviteを送りました。幼なじみは大いに活用してくれていますが、池上さんは前述したように週刊誌に会話がリークされるから、と言って今はまだ、と返事がきました。

池上彰さんも安心して参加できるClubhouseになれば、日本のClubhouseも定着したのではないか。試金石だと言えそうです。

###

ニュース、みてますか? -プロの「知的視点」が2時間で身につく- (ワニブックスPLUS新書)
クリックでアマゾンへ飛べます。
896円
池上彰さんがあとがきを書いてくれて、絶賛してくれています。是非ご一読を!


See more of Yoshihiro Sugie OFFICIAL

Subscribe to receive the latest posts by email.

Your Comments

This site uses Akismet to reduce spam. For more information on how comment data is processed, please click here.