2023年5月後半になって、おかげさまで本ブログの読者数が急激に増えています。本当にありがとうございます。それに伴い「杉江のブログ、やたら追記が多くないか」「事実誤認もみられる」といったご批判も頂くようになりました。今日はその弁解の記事です。

書籍の上梓や各新聞社、雑誌社からの依頼原稿については、一行一行丁寧に事実確認をしながら、僕にできる細心の注意を払って執筆しています。おかげさまで編集者から修正の依頼を受けたことは一度もありません。書籍についてはずいぶん昔に、ワニブックスPLUS新書さんから「ニュース、みてますか?」を書かせて頂き、一時的にベストセラーになりました。

出版にあたっては担当編集者の方に原稿のチェックをして頂き、さらにプロの校正者の方に「てにをは」をはじめ日本語としておかしい所がないかチェックをしてもらいます。僕としては最初から慎重に事実確認をしながら、丁寧に執筆したので、チェックに引っかかる所は全くありませんでした。

編集者の方には、僕がネタに悩んでいるとき「こんなテーマの項目について書いてみたらいかが」といったアドバイスをたくさん頂きました。本当に感謝しています。おそらく彼は彼なりに、独自に事実関係をチェックしてくれたのでしょう。

校正者の方からチェックして頂いたのは一カ所。僕の元原稿では「尾籠な話で恐縮ですが」となっていたところを「尾籠という単語では読者に伝わらない可能性があります。下品とか何か簡単な用語にしましょう」と言われただけです。

新聞社、雑誌社から頂いたお仕事には校正者というのがなく、編集者が一人で責任を持ってチェックします。かなり過激な内容の記事も提供しましたが、すべて元原稿の通りに掲載して下さいました。デジタル版用に書いた記事を、紙の新聞に掲載するため、何字くらいに収めてくれと言われ、半分くらいに縮めたのが唯一の書き直しです。

このようにお仕事として執筆するときは、最初から丁寧に事実確認をしながら注意深く原稿を書きますが、このブログは全く逆です。

思いついたら一気に本番ページに直接書き込み「てにをは」のチェックもそこそこに、直ちに記事として公開します。思いついた時の勢いを大切にして、そのまま読者に伝えたいからです。取材や事実関係の確認はおろそかになります。

さらに僕はこのブログに関しては、一つ大事な掟を自分に課しています。いったん公開した記事の本文は、絶対に修正しない、という掟です。たとえ「てにをは」が変でも、後に事実関係の間違いに気付いても、本文は元のままにします。その代わりに文末に「追記」という形で正しい内容を追加します。

なぜか?

それは読者の皆さまとの信頼関係を維持するためです。

私のブログは生半可な取材に基づいていますので、正しかったり間違えていたり、が混在しています。間違えていることに後から気付いたり、読者から指摘されたり、ということがしばしばあります。サーバーの管理権があるので、本文をまるまる編集して、何ごとも無かったかのように、正しい内容ばかりの立派なブログにすることもできます。でも僕は絶対にそれをしません。

なぜならば、最初に記事を書いた時点で、僕がそう思っていた(あるいはそう勘違いしていた)という事実は消しようがなく、また消すべきではないのです。間違っていたという恥ずべき事実も、また事実として残したまま、「追記」という形で、謝罪、訂正文を文末に書くことにしています。それが読者の皆さまへの最も誠実な態度だと考えています。本文をこっそり編集した優等生ブログなど、誰が読みたいでしょうか。

テレビなどの誤報の謝罪に似ています。「先ほど不適切な説明がありました。お詫びして訂正します」とアナウンサーが深々と頭を下げても、それは訂正放送として失格です。「先ほど**について、誤って○○とお伝えしましたが、正しくは××です。お詫びして訂正します」でようやく合格です。

どんな内容の誤報であったのか、どんな所が間違っていたのか、正しくはどう伝えるべきだったのか。具体的に視聴者に伝えてこそ、信頼できる報道と言えるのです。僕のブログも同じ考えで運営しています。それぞれの記事で、僕が初めて書いた時点で、どう思っていたのか(どう勘違いしていたのか)という事実を残した上で、何が間違っていたのか、正しくはどう書くべきだったのか(それとて追記日時点での正しさに過ぎませんが)を追記する方法をとっています。

拙い取材力と個人の思いつきによるブログですが、これからも精一杯皆さまに信頼していただけるよう、誠実に取り組んで参ります。自らの良心に基づく誠実さだけが取り柄のメディアですので、賛否両論おありでしょうが、何とぞよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

あなたからのコメントが、メールが、僕の間違いを指摘し、僕の思想さえも変えてくれるのです。

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