自動車はこれでいいのか?(その2)
高速道路の事故のほとんどは追突事故で、渋滞の最後尾で起きる。そして追突するのは決まってトラックである。これも、一義的に運転手の責任とされる。
しかし、トラックの運転手の多くは「学習能力」をもたない。
高速道路を運転するとわかると思うが、必ず、平気で車間を詰め、さらにパッシングしてあおるトラックに遭遇する。ライトをパッシングしても、トンネル内で点灯しないトラックも多い。トラックの巡航速度は80㎞とされているが、まず守っているあるいは速度リミッターをオンにしているのは20%にも満たないと思われる。
つめた車間距離の空間で、トラック運転手のプロドライバーとしてのキャリアと将来を失うリスクと、荷主と送り先への損害リスクと、車両と人的被害者への補償リスクが急激に圧縮されていることに気づいていない。
そう、毎日のように報道され、ドライバー自身も事故通行止めや渋滞でさんざん文句を言っているのに、自分が当事者になることには想像力が及ばない、学習しない。
最近はレーダーやカメラで前方を監視して、衝突が予測されると自動でブレーキがかかる装置が乗用車には実装されている。エマージェンシーブレーキとか、アイサイトとか・・・。軽自動車でも標準装備となっていることは良いことだと思う。
しかし、軽自動車は、追突してくるトラックにはかなわない、無残につぶれて搭乗者は被害を負う。そして追突チャンピオンであるトラックには付いていないのだから、おおざっぱに言って半分くらいしか役に立っていないだろう。
なぜ・・・?と思う。
自動ブレーキをトラックに義務化しないのかと。トラックの車検は最長でも2年ごとにあるから、後付けできる装置さえ開発できればそこから2年で全てのトラックに取り付けることができる。インターロックと比べて自動ブレーキは仕組みが大がかりだから新車にしか装着は無理というならそこで義務化しても良い。荷物の送り主が事故リスクを考えてトラックを選ぶだろうし、装置のあるなしで損害保険料も違って来る。ETCと連動させ、装着車両の高速道路料金を割引してもよい。意外と普及は早いと思われる。
トラックなどの大型車の追突事故による損失は、高速道路の通行止めなどの時間損失も含めれば相当な金額にのぼる。
自動ブレーキシステムの大型車への義務化の生む効果は大きい。
すぎぴょんのWebログをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
人間にマナーなり安全を学習させるのは膨大な時間と費用をかけても不可能であるけれど、機械に組み込めばはるかに少ない費用と時間で、しかも確実。
人間は信頼に足りない。