ChatGPT-5で出版業界が変わった
ChatGPT-5は僕の仕事をどう変えたのか。具体例として書いたものです。

まず最初に断っておきますが、今日のこの記事はあえてAIを使わずに自分でタイプして投稿しています。これまでの記事もそうでした。しかしたぶんAIに書いてもらっても、ほぼ同じ内容になるでしょう。それくらいChatGTP-5は僕たちにとって強力な武器になるという具体例にぶち当たったので、今日の段階での体験談を書いておきます。
僕は先日、某出版社から二冊目の紙の本の執筆についてご相談をいただきました。内容はどんなものにしましょう?と編集者の方に聞くと、「内容はどれでもいいんです。杉江さんの文体で書いていただければ」という事でした。はあ?と思いましたが、「文体の良い書籍は売れるんです。」という説明されてなんとなく納得していました。しかし先日面談し、後はメールでやりとりしましょう、ということになって打ち合わせたところ、面白い展開になってきました。
編集者の方からのメールには「たとえばこんな感じで」と書籍の仮タイトル、項目立て、目次まで僕の意図しそうな項目がずらりと並んでいました。全て的を射ていました。なんて優秀な編集者さんだろう!と感心しつつ、お礼を述べた上で、念の為自分のMacのSiriでエゴサーチしてみました。新しいSiriにはOpenAI社のGPT-5が無料で搭載されています。
3年くらい前のAIでは僕のことを「日本テレビのアナウンサー」と紹介するなど、かなりひどいミスがありました。僕は日本テレビさんで仕事をしたこともなければ、アナウンサーをしたこともありません。これなら普通にウェブ検索して、ファクトチェックして書いた方が良い。と思っていました。
ところが今のAIは全く違いました。客観的な事実だけではなく、僕が頭の中で考えていたことまで、すべて網羅されていたのです。お前の考えそうなことはこんなことだろう、と突きつけられたようでした。僕の本名、かつて上梓した本のタイトル、今の仕事、それだけタイプして「この著者に次に求められている本は?」と聞くとあっという間に前述の項目立てや、本文の例まで立ち所に出てきたのです。
それを編集者さんに送ったところ、「ああ、私もAIに編集プランを作ってもらい送っただけですよ」ということでした。内容は私のAIによる本文とほぼ同じですね、というと「いやいやご本人の結果の方がずっといいです」とお世辞を言ってくれましたが、内心冷や汗ものでアレンジをはじめました。そして「文体が大事」という先日の編集者さんのおっしゃった意味もようやくわかりました。
そこでしかAIとの差は出せないのです。あるいは極めて専門的な書籍か。これからの出版社は生き残りを賭けてこれらに取り込むことになりそうです。たとえば画像生成でも「ジブリ風に」と言えばそれらしいイラストを作ってくれますし、クリエイターの立場は微妙です。少なくとも創造的な仕事は人間にしかできない、という思い込みは通用しません。著作権の扱いも一考の余地がありますが。
かつてのAIの僕に関するデータ収集能力は、昔はウェブ検索とどっこいどっこいなレベルでした。ところが今のChatGPT-5は僕の著作を全文読破し、20年続けたこのブログも全文解析されているようです。思いついたことを無用心に垂れ流してきた僕は、AIにとって格好の餌食になっていたということです。
さてどうしましょう。まずAIにひとしきり書かせてから、それとは違う全く想像もつかないような原稿を書くか。
うーむ。ちょっと考えてみます。
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