2024年4月22日

この記事には、日本共産党(代々木)と中華人民共和国の中国共産党が入り交じって書かれているので、混同をされないように前者を日本共産党、後者を中共と表現させて頂きます。単に共産主義と言うときは、マルクス・レーニン主義をざっくり指し、社会主義とも区別をしません。

さて、しんぶん赤旗がこの秋から500円ほど値上げをするという噂を聞いたのですが、本当でしょうか。僕は各社デジタル版を読んでいるので関係ありませんが、各社ともに紙の新聞には苦戦しているようです。日本共産党の財源は8割ほどが新聞、書籍の売上げらしいので、心配をしています。

しんぶん赤旗は非常に良くできていて、共産主義のオルグというよりも、独自取材によるスクープが魅力でした。一時期は発行部数が300万部を超え、他の全国紙に肩を並べていたと聞きます。僕も報道の仕事を現役でしていた頃、プロジェクトルームに資料として、五大全国紙(朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、日経新聞)に加えて、しんぶん赤旗も毎日届けられていました。

誰かが日本共産党を応援していた訳ではなく、五大全国紙がなぜか触れようとしない、タブー視されるような情報を、しんぶん赤旗からしばしば得られたからです。今でいう文春砲みたいな役割でしょうか。重要なネタ元だったのです。

とはいえ僕は中共が大嫌いなので、同じ「共産党」とう名を持つ日本共産党には、一票も入れたことがありません。5年前の冬、僕はこのブログにこんな記事を書きました。

全く無知蒙昧で書いた記事ですが、これを読んだ日本共産党の志位和夫委員長が、僕に連絡をくださり、わざわざ代々木の日本共産党本部ビルにお招き頂いたのです。立派な図書館も備わった知的な感じのビルでした。

対談で僕が喉まで出かかって、結局言えなかったのは、「共産党という名前を変えたらいかがですか」ということでした。いつもテレビで国会中継を見ていて、特にダメダメ野党の状態で、質問に立って最もまともな発言(正論?)をするのは、いつも日本共産党の議員でした。野党第一党を目指すもよし、共闘するもよし。

だけど崩壊したソ連や、人権蹂躙と覇権主義丸出しの習近平が率いる中共の現状を見る限り、共産党という三文字にはマイナスのイメージしかありません。もう共産主義にはこだわらなくていいのでは?100年の歴史を達成した今、いや今だからこそ、新しい政党に生まれ変わるチャンスです。

2020年にも綱領が一部改正されたと聞き、期待を持ったのですが、残念ながら肝心なところは変わっていませんでした。

せっかく良いことを考えているのに、国民にそっぽ向かれる要素はそのままです。考えが古いのです。たとえば、

  1. 天皇制。日本人は「国政に関する権能を有しない」皇室が大好きなのです。英国王室同様でアイドルと言ってもいい。皇室のファンを敵に回して、票を減らすのはやめましょう。
  2. 米軍基地の排除と自衛隊の縮小。はあ?自国軍ももたず、同盟軍の駐留も許さず、どうやって日本の安全保障を保てるの?ウクライナを見てご覧なさい。そして日本列島の地政学的な位置を分かってますか?
  3. 対米従属の解消。たしかにそれができたら良いですね。誰だってそれを望んでるでしょう。だけど日本は事実上アメリカの属国です。アメリカは日本の宗主国です。まだ独立してないんだから、しょうがないでしょう。独立戦争でもするのですか?
  4. 最終的に共産主義国家を目指す。今どき共産主義国家なんて誰も望んでいません。失敗すればソ連に、成功すれば中共になるだけ。賢い指導者層が愚かな国民を率いる、その発想は独裁主義につながります。
  5. 信教の自由。日本共産党は信教の自由を認めるとしていますが、中共を見てご覧なさい。「宗教はアヘンだ」とマルクスが言ったとかで、キリスト教もイスラム教も仏教も許されていないのです。その代わり毛沢東を拝んでいます。

日本共産党が中共とは違うことは、綱領をみれば明らかですが、誰もそこまで読んでいません。共産党という三文字が中共を連想させるのです。だから名称を変えた方が良いですよ、と申し上げているのです。共産主義さえ捨てれば、なかなか良い政党になると思いますよ。少なくとも今の野党の状況を見る限り、野党第一党にはなれるでしょう。

期待してます。

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6月11日追記:

日本共産党の話ではないですが、この機会に150年前にカール・マルクスが書いた「資本論」を読んでみました。ひどく難しい本で、マルクス本人が書いたとされる、第一巻のみを読みました。第二巻、第三巻はエンゲルスが書いているので省略。「共産党宣言」も省略。レーニンは興味がないので読みません。あくまでマルクスが書いた「資本論」の第一巻が読みたかったのです。

どういう内容だったかというと、名前にあるように「資本主義」について書かれた本でした。「商品」「貨幣」「資本」「労働」と言った用語を説明し、要するに資本主義では、世の中は資本家と労働者に別れていて、労働者は商品を買うために必要な貨幣を得るために、自らの労働を商品として資本家に売るしかない。(今でいう賃金労働者ですね)資本家は「剰余価値」をため込むために、労働者を搾取することになる。この構造では、資本家と労働者の貧富の格差が生じ、あまりにも労働者を搾取しすぎると、資本家もやっていけなくなる。その時に鐘がなる。

ふむふむ。話はそこまでですか?えっ?

その時に鐘がなる。

が結論ですか? 革命の「か」の字も、共産主義の「き」の字も出てきません。国有資産の「こ」の字も出てきません。僕が若い頃は、東京大学はじめ主だった大学の経済学部に入学すると、「マル経(マルクス主義経済学)」か「近経(ケインズを始めとする近代経学)」か、どちらを専攻するか選ばされました。教員の数も学生の数も、同じくらいでした。

マル経を選択した学生が、共産主義者になるかというと、そうではありません。一流の企業に勤め、どんどん出世して、やがて社長などの経営陣になります。企業の社長が必ずしも資本家という訳ではありませんが、たとえば賃上げの時期になると、「ふむふむ。労働者をあまり搾取しすぎてはいかん、と大学で習ったな」と思い出し、労働組合側とスムースに交渉につくことができます。こういう企業では「過労死」など起こらなかったでしょう。

一方、今の大学の経済学部で、マルクス主義経済学を教える教授は誰もいません。もちろん専攻する学生もいません。ソ連崩壊を見た今、マルクス主義経済学は、一気に古ぼけた思想として葬り去られました。そうしてマルクスを知らずに社会に出る訳ですが、現代のように資本主義が超格差社会など問題を抱えはじめ、新しい経営哲学が求められている時に、彼らにはアイデアが出ないのです。

企業の経営陣のみなさま、マルクスの「資本論」をぜひもう一度読んでみて下さい。アイデアの宝庫です。「アソシエーション」について「コモン」について、考えをめぐらすことで、きっと新しいビジョンが見えてくるはずです。

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