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日に日に被害が広まっている、日本の市街地に出没するクマ。ヒグマだったりツキノワグマだったりしますが、すでに11人以上の方がクマによって命を奪われています。ついに先日、政府はクマの被害対策の連絡会を、緊急で閣僚レベルで作るに至っております。

もはや人類対クマの戦争といって良いでしょう。毎日のようにニュースで見かける防犯カメラで捉えた映像。特に後ろ脚日本で直立した状態。これを見ていると不謹慎ながら(いや絶対に許されない不謹慎さですね)つい可愛いと思ってしまう自分が嫌になります。自分や自分の家族、友人などが襲われたら、こんなこと絶対に思わないでしょうが。

僕たちテディベア世代の人間は洗脳されているのですね。今もテディベアと打っただけで、愛らしいぬいぐるみの絵文字が出てきました。クマと言えばハチミツ大好きプーさん。これはもう鉄板の王道アイドルです。僕の妹など小さなこどもの頃から大人になるまでプーさんファンでした。確かにプーさんは可愛い。

でも漫画のプーさんと現実のクマを混同してはいけない。甘く見て気を許すと、野生の動物は簡単に人を襲います。パンダだって危険です。動物は自分が生きるためには何でもします。パンダは愛くるしい垂れ目の黒い模様が目の周りにありますが、本当の目はその黒い模様の中にある小さな黒い目で、けっこう眼光は鋭いです。

犬でさえ、正しく調教しないと人間を噛みます。犬はもともと先祖はオオカミで、群れを作る動物です。われわれが目にしているのは、長年の品種改良により、人間の言うことを聞くように温厚な性格になったワンちゃんばかりです。それでも群れを作っていた時代の性格は残っていて、最初に飼い主がボスであって、自分はそれに従う犬だ、と覚え込ませないと安心して飼うことができません。

その辺はワンちゃんの調教の専門家が大勢いますから、これから犬を飼おうと言う人は相談してみるといいでしょう。一昨年亡くなった動物王国の畑正憲さん(ムツゴロウ先生)ならどう言うでしょうか。動物は視線を低くして心を開けば、向こうも心を開いてくれる、と仰っていましたが、晩年見たテレビ番組では、野生のライオンにこの方法で「よーしゃ、よーし、よーし」と寄り添い、食べられはしませんでしたが血まみれになっておられました。

クマの話に戻りますと、専門家の話によると、テリトリーの問題だと言うことです。ここまでは人間のテリトリー、ここからはクマのテリトリー、という境界線があって、今回は森でドングリなどを冬眠前にしこたま食べる習性のあるクマが、今年はドングリの不作によってテリトリーを変えてきたと言うことです。

頭のいいいクマの個体が、一度人間のテリトリーに入って、無事に餌を得ることができた体験をすると、次からはここまでは入って良いんだと仲間内でその情報を共有してしまうのだそうです。ですからこのような成功体験を持たせないように、人間のテリトリーに入るとロクなことはない、と覚えさせる必要があるわけです。

「危ないから近づかない」と逃げる一方だと、クマの方に舐められてしまう危険があります。警察が拳銃で打てば良い、なんて馬鹿な書き込みを見たこともありますが、当然のことながら警察官が所持している38口径の小さな拳銃では、クマに対して全く無力です。あんなもの2〜3メートルの射程距離で自殺にしか使いようがありません。まあ自殺にさえ失敗した終戦時の首相もいましたが。一般人の拳銃所持が認められているアメリカでも、ハンドガンは「ストッピング・パワー」と言って相手の動きを止める用途で用いられています。ハンドガンで撃ち合うなんて、ハリウッド映画の中だけの世界です。

で、猟友会の散弾銃、そしてついに自衛隊まで出動させる事態になっています。これも「害獣駆除」という名目ですが、僕は単に「駆除」すれば良いとは思いません。これまた動物大好きのお花畑頭で考えたことですが、やはりお互いのテリトリーをちゃんと元通りに戻す。そして正しく共存共栄できるような、なにか良い知恵はないものか。

うーん。市街地のスーパーマーケットにも、自動ドアを開けて入ってくる奴ら。このままナメられていると、クマの立場をどんどん上長させていく気がします。動物の世界はマウントを取るかとられるかです。逃げるのではなく追い払う。このスタンスにたった対策を期待します。

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