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昨日、アメリカ軍とイスラエル軍によってイランの最高指導者であるハメネイ師が殺害された、というニュースが飛び込んできました。ことの是非はさておき、僕はイスラム教国家における「師」という肩書きがずっと気になっていました。僕の世代で言えば、ハメネイ師という人物より、その先代であるホメイニ師のほうが、記憶に強く残っています。

この二人、名前も紛らわしいだけでなく、見た目も非イスラム教徒である日本人には、ちょっと見分けがつきにくいぐらいよく似ています。ちなみにこの写真がホメイニ師です。

間違って写真を逆に貼ってしまっていたらごめんなさい。特にムスリムの皆さん、僕はイスラム教を軽んじているわけではありません。ちょっと勉強不足な異教徒だと思って許してください。

さらにこの二人、名前もかなり似ています。本名はとても長いのです。まず昨日殺害されたハメネイ師。

アーヤトッラー・セイイェド・アリー・ホセイニー・ハーメネイーペルシア語: علی حسینی خامنه‌ای, ラテン文字転写: Āyatollāh Seyyed `Alī Ḥoseynī Khāmene’ī, 発音 [ɔːjætoˈlːɔːh seˈjːed ʔæˈliː hosejˈniː xɒːmeneˈʔiː]

アリー・ハーメネイー
سید علی خامنه‌ای


任期 1989年6月4日2026年2月28日
(1989年8月6日までは最高指導者代行)
大統領

任期 1981年10月9日 – 1989年8月16日
最高指導者 ルーホッラー・ホメイニー
首相 ミールホセイン・ムーサヴィー

任期 1988年2月7日 – 1989年6月4日
最高指導者 ルーホッラー・ホメイニー

任期 1983年8月15日 – 1989年6月4日
選挙区 テヘラン州

任期 1980年5月28日 – 1981年10月13日
選挙区 テヘラン・レイ・シェミーラーナート地区英語版

出生 1939年4月19日
イランの旗 イラン ラザヴィー・ホラーサーン州マシュハド郡英語版マシュハド
死去 2026年2月28日(86歳没)
イランの旗 イラン テヘラン州 テヘランパストゥール地区最高指導者事務所
政党 闘う法学者協会英語版→)
(闘う法学者協会/イスラーム共和党英語版→)
(闘う法学者協会→)
無所属
出身校 ゴム神学校英語版
ナジャフ神学校英語版
ホラーサーン神学校ペルシア語版
配偶者 マンスーレ・ホジャステ・バーゲルザーデ
(1964年 – )
子女 6人
宗教 イスラム教シーア派十二イマーム派
署名

そして先代のホメイニ師

アーヤトッラー・セイイェド・ルーホッラー・ムーサヴィー・ホメイニーペルシア語: آیت‌الله سید روح‌الله موسوی خمینی, ラテン文字転写: Āyatollāh Seyyed Rūḥollāh Mūsavī Khome

ルーホッラー・ホメイニー
روح‌الله خمینی

肖像写真(1981年撮影)

任期 1979年12月3日1989年6月3日
副最高指導者 ホセイン・アリー・モンタゼリー英語版
大統領 アボルハサン・バニーサドル
モハンマド・アリー・ラジャーイー
アリー・ハーメネイー
首相 モハンマド・アリー・ラジャーイー
モハンマド・ジャヴァード・バーホナル英語版
モハンマド・レザー・マフタヴィー・キャニー英語版
ミールホセイン・ムーサヴィー

任期 1979年2月4日1979年12月3日
首相 メフディー・バーザルガーン

出生 1902年9月24日
ペルシア マルキャズィー州ホメイン郡英語版中央地区英語版ホメイン
死去 1989年6月3日(86歳没)
イランの旗 イラン テヘラン州テヘラン
出身校 ゴム神学校英語版
配偶者 ハディージェ・サカフィー英語版
子女 7人
宗教 イスラム教シーア派十二イマーム派
署名

覚えなくて良いです。僕もWikipediaからコピペしただけですから。こんなの覚えていたら頭がウニになってしまいます。ペルシア語の本名を見ていると気がつくのが、二人とも最初に「アーヤトッラー・セイイェド」とつく点が共通しています。この辺に日本語の「師」の言われがありそうです。

アーヤトッラー(Ayatollah)
「神のしるし」という意味
→ 高位のイスラム法学者・宗教指導者

という意味らしいです。

日本語には「宗教法学者+精神的指導者」を一語で表す自然な敬称がありません。そこで日本の新聞・NHKなどは1979年のイラン革命報道の際、翻訳方針として、宗教的教師・導師に近い存在=日本語では「師」を付けるという処理を採用しました。

つまり、

  • 「先生」では軽すぎる

  • 「聖人」では意味が違う

  • 「法王」ではキリスト教的すぎる

その中間として選ばれたのが 「師」 です。日本語で「師」のつく職業といえば、医師や看護師、教師など全面的な信頼を寄せる対象です。一方で「士」のつく職業は弁護士、税理士など法律的な一定の知識を持った有資格者を示すようです。この分類は絶対的なものではありませんが、やはり「師」といえば師匠、仰ぎ見る存在だと僕の中では感じています。

というわけでイスラム教国の最高指導者に「師」をつけるのは日本独自、それも1979年以降の習慣だったのですね。いずれにしてもムスリム特にシーア派の人にとっては、とても重たいものを持っています。精神的支柱として、大統領より上の存在であるアーヤトッラーを殺戮されたのは、どんな思いだったのでしょうか。宗教が違うので単純に比較はできませんが、キリスト教徒にとってローマ法王(教皇)を殺害されたら、どんな気持ちになるか。僕はイスラム教徒の怒りが、イランだけではなく、世界的に広がる恐怖を予感しています。場合によっては911の再来さえ招きかねないのではないでしょうか。

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