80年代の取材と好奇心

私の場合、もちろんリゾート地にも行きますが、80年代の旅の目的は、なぜか取材でした。世界中のまだ知らない様々な文化と出会い、日本にいては絶対にお目にかかることができない、知らない民族と直に触れ合うこと。秘境と言われる未知の領域に踏み込むことは、この上もなく好奇心をそそられることでした。

「休暇で海外にきているのに、まだあなたは取材を続けるのね」と当時のパートナーはあきれかえっていました。だって面白いんだもん。貴重な一次情報に触れられて、それを文章で書くことほど面白いものはない。と僕は開き直って、有名な観光地には目もくれず、秘境の旅を目指します。

まあ80年代といえば、日本はバブルでしたから、途上国で日本円を使うと、相当なことができました。今は円安で、もはや先進国とさえ呼べない時代です。だから若い人の中には、海外旅行に出かけよう、気力さえ失っている人が増えているように感じます。

私の若い頃は、バイトして稼いだお金を何に使いたい?と聞けば、二つ返事でクルマが買いたい、海外旅行に行きたい、と返ってくるものでした。今の若い人たちはどうやらそのどちらにも興味がなさそうです。私は免許を取ってすぐに「20代のうちに新車のベンツを買う」と触れ回り、実際27歳の時にその夢はかないました。

そうすると不思議なもんで、クルマに対する執着もどんどん消えていきました。BMWが大人気の時代で、六本木のカローラ、と揶揄されながらも、男たちは買いました。お嬢様大学の下校時間になると、お迎えに来たボーイフレンドの外車が、長い列をつくったものです。

私はあるとき、女性の大学生に質問したことがあります。「君はBMWのどんなところが好きなの?」

すると彼女は答えました。「私はBMWが好きなんじゃないの。BMWの後にひろがって見える、リッチな生活が好きなの」

「うーん。。。」と私は答えに詰まりましたが、この女性はとても正直な女性だったと思います。もちろんクルマが趣味な女性も大勢います。少なくとも僕の周りの女性達は、A級ライセンスをとってサーキットを走ったり、面白いクルマを見つけてきては、ドライブを楽しんだりしているようです。

クルマ趣味の話はともかく、今の若い人がアドベンチャーな海外旅行をしなくなった、という話はちょっと気がかりです。異文化に対する好奇心を失っているのではないか。冒険心をなくしてるのじゃないのか。「外国の変な所行くより、国内の温泉のほうがよくない?」それでいいんでしょうか?

まあ私の数少ない一次情報が、アドベンチャーな取材で得られたので、書けるうちに書いておこうと思います。他の誰もが書けない記事を、今のうちに書いておくのが、私の余命に課せられた使命と感じたからです。ぜひお付き合いくださいませ。

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